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【文/Discover Taipei】

子供のころのおもちゃや古いポスターを見たら、昔の楽しい日々を思い出しませんか? 台北にはそんな昔の面影が残るおもちゃ屋や骨董市場がたくさんあるので、昔の台北の懐かしさを求めて足を運び、面白い古物を探してみるのも悪くないでしょう。

レトロ市場~昭和町文物市集街

日本統治時代ににぎやかだった錦安市場は、永康街エリアにあり、当時は「昭和町」と呼ばれていました。今は当時の華やかさはなくなってしまいましたが、昔の台北らしさが漂っていて、レトロな雰囲気をかもし出しています。それでここには古物屋、レトロ玩具店などの店がたくさん集まった市場ができました。この市場は旧地名にちなんで「昭和町文物市集」と名づけられ、観光客やコレクターでにぎわうスポットになりました。

「昭和町文物市集」には、30軒前後の店が入居していますが、どの店も特色があり、中には日本統治時代の雰囲気が漂っている店もあります。1、2坪と狭い店ばかりですが、取り扱っている商品は半端ではありません。店主自身がコレクターという店も少なくなく、書画の掛け軸、仏像、古翡翠、鼻煙壷(嗅ぎ煙草の容器)といった珍しいものや、テーブル、椅子、トランク、照明器具、レトロな電化製品といった大型のものまで、何でもそろっています。こうした店頭の商品の多くは、店主自身のコレクションだったり、同業者から仕入れたものだったりするので、種類も豊富でバラエティーに富んでいます。古物の販売のほか、店によっては茶器の修理サービスを提供しているところもあり、丁寧な手作業で、古い茶器に新たな生命を与えています。

よみがえる童心~順泰玩具食品行

昔の台北の子供たちがどんな遊びに夢中になっていたかを知りたいなら、景美にある順泰玩具食品に足を運んでみてください。店に近づくと、店頭にずらりと並ぶおもちゃが目に入ります。陳列台に並べられたもの、天井からつるされたもの、そのどれもが1950年代、1960年代の台湾のおもちゃや駄菓子をリメイクしたものばかりです。尪仔標と呼ばれる台湾風のメンコ、コマ、涼煙糖(たばこのような煙が出る駄菓子)、水槍、毽子(蹴り羽)、ビー玉など数々の面白いおもちゃのほか、店主がコレクションした絶版おもちゃもあり、まるでタイムトンネルをくぐって少年時代に戻ったかのような感覚に陥ります。

創業48年の歴史を有する「順泰玩具食品行」は、台北市ではなかなかお目にかかれない懐かしいおもちゃや駄菓子を扱っている店です。もともと台湾で「柑仔店」と呼ばれていた駄菓子屋でしたが、現在も小さな店として営業を続けています。「昔の田舎にはおもちゃらしきものがなかったんですね。だから自分で作っていたんですよ。例えばメンコ。選挙の候補者の顔が印刷された紙を切ってから折りたたんで作ったお手製のものだったんです。アイデアたっぷりでしょ」という店主の官さんのオススメは1950年代に田舎の子供たちが遊んでいたメンコ。子供たちがすぐにしゃがんでいっしょに遊べるおもちゃです。また、たくさんのおもちゃが入った当てくじは、子供心いっぱいで、パーティーゲームに最適です。ここで昔を懐かしむのもよし、遊び心を求めるのもよし、たくさんの懐かしいおもちゃや駄菓子が、心を満たしてくれることでしょう。

台湾の歴史を示す物品の宝庫~秋惠文庫

にぎやかな永康エリアとは対照的にひっそりとしている「秋惠文庫」は、信義路と永康街の交差点近くのビルの3階にある静かな文化空間で、文化資産の宝庫になっています。店主の林于昉さんは医者でもあり、コレクターでもあります。日本に留学していた際に日本の古書、昔の文物に触れて、それらをコレクションしました。そして台湾の歴史の一部は日本の文化と重なる部分があり、台湾の歴史を示す物品をコレクションするようになりました。オランダ統治時代に始まり、鄭成功や清朝が治めた時代を経て、日本統治時代、そして中国から渡って来た国民政府の時代までの各時代の1万件を超える台湾の物品があり、台湾の各時代の文化がどのようなものだったかがうかがえます。

「秋惠文庫」では、台湾の歴史の示す物品が系統的に整理されて展示されています。歴史文献、工芸品、直筆の書画、日本統治時代の絶版ポスターや看板、かつて世界に向けて輸出されていた FORMOSA TEA の茶缶とパッケージ、台湾で昔おみやげとして好まれた阿里山漆器や貝の装飾品、檳榔扇(中国のうちわ)など、どの部屋にもどの壁際にも珍しい物品がずらりと並んでいます。また、昭和5年に描かれた日本画『扒龍船』(ドラゴンボート)もあり、ファンタジーなコレクションがそろっています。この小さな博物館のような空間では、ゆっくりとコレクションが鑑賞できるほか、100年以上も前に先住民が牛車の車輪で作ったテーブルもあり、そのそばでお茶を飲みながらおしゃべりに興じることもできます。無私無欲にコレクションを一般に公開している店主には、まったく感服させられます。

骨董品が勢ぞろい~臺北古玩城

去年7月にオープンしたばかりの「臺北古玩城」は、大安森林公園のそばにあります。玉器、磁器、鼻煙壷、茶壺(急須)、石の彫刻、木の彫刻、書画、アンティーク家具などを展示販売している店が35店舗入居していて、コレクターなら見逃せない場所になりました。

価値のある古い骨董品をコレクションし、みんなに骨董品を鑑賞してもらうのが骨董趣味です。これを始めるには、豊富な知識と審美眼を持ち合わせ、経験を積んで目利きができるようでなければ、心から骨董品のコレクションを楽しむことができません。「臺北古玩城」内の店舗で扱っているものは、どれも芸術的価値が高く、歴史的な意義があるものばかりです。台湾の著名画家、廖繼春、郭柏川、楊三郎、顧重光、黃楫、李石樵の作品や白玉(白い硬玉)、古翡翠、青銅、銅、珊瑚の工芸品などがあり、どれも歴史博物館でも展示できそうな珍しいものばかりで、ここで鑑賞したり、購入したりすることができます。

「臺北古玩城」には、お店だけでなく、展示・公演スペース、芸術文化展示室があり、不定期的に展覧会や講座、座談会も催されているので、買い物が目的ではない観光客もここで骨董趣味について触れ、存分に昔の珍しい逸品の世界を味わうことができます。

※英文版:
On the Hunt for the Old Days in Taipei 看更多精彩文章

Discover Taipei 2012年09月號】

本文出自正妹資訊網.....

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