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【文/Discover Taipei】

「URS」は「都市再生前進基地」(Urban Regeneration Station)の略称です。台北市でレトロな雰囲気に包まれている大同区に、そのURSが相次いでお目見えしました。100年クラスの古い建築が、クリエイティブ発信地として生まれ変わり、文化の香りを漂わせているのです。台北市都市更新處は、ここ数年来、未使用状態の古い建築や空き地を活用してURSを設立し、古い住宅地に新たな文化の息吹を吹き込みました。それぞれ異なる団体が運営を手がけ、どのURSも個性あふれるものとなり、町に創造力と文化的価値をもたらしています。

現在、大同区には4カ所のURSがあります。去年オープンしたURS127は、「デザインギャラリー」という位置付けで、建物全体がギャラリーになっています。小劇場のほか、建築家やアーティストのアトリエもあり、デザイン、建築、アートなどの展覧会や公演が催されるだけでなく、若手デザイナーの創作の場にもなっています。また、同じく去年オープンしたURS44は、大稻埕エリアの郷土文化を紹介する「大稻埕故事工坊」に生まれ変わり、食材、乾物、漢方薬、生地など、迪化街の伝統産業と提携した新たな可能性を模索しています。そして今年6月にオープンしたURS155は、生活がテーマの創作の場で、迪化街で有名な乾物を食材に取り入れた料理を作って楽しんでもらっています。最後に9月29日にオープンしたばかりのURS27Wは、「フイルム実験室」で、かつて「太平町」と呼ばれていた延平北路一帯に若さをもたらしました。

URS155 みんなで創作を楽しむCooking Together

迪化街一段にあるURS155の建築は、1850年代に建てられたもので、もともとは雑穀と漢方薬を扱う100年クラスの老舗でした。入口がふたつある三階建ての伝統的な閩南式建築で、建物の外観からも何度も増築が繰り返されたことがうかがえ、清朝、日本統治時代、そして戦後のレンガの特色がよく表れていて、大稻埕の宅第街屋(台湾風の町屋)の歴史を物語っています。建物が民間から台北市に寄付されてから、創作空間に生まれ変わりました。「cooking together」がコンセプトのオープンキッチンを主軸に、昔ながらの市場とお店に家庭の味を求め、工夫を凝らしてご当地の食材を使い、周辺の住民たちと創作スープを作り、「みんなで分かち合って楽しむ料理」という創作の理念を広めています。

11月と12月には、食べ物をテーマにみんなで集まる「分食共好講座」(みんなで分かち合って楽しむ料理講座)、「迪化好味食堂」(迪化街のおいしい食堂)と題したふたつのイベントが開催されます。「迪化好味食堂」では、参加者を連れて迪化街でさまざまなご当地

食材を購入してまわるので、興味のある人は、ネットで開催日を確認して、ネットか電話で申し込みをしてください。

URS155の1階にはもうひとつの空間があり、創作アトリエになっているので、いつでもパソコンや道具を持ち込んで、さまざまな形態の創作ができます。また、2階は小規模な展覧会向けの空間になっていて、毎月クリエイターの創作理念に触れられるさまざまな座談会も行われています。

URS27W 都市の映像を探る

延平北路二段にあるURS27Wは、台北市で8番目にオープンした最新のURSで、「都市のフイルム実験室」という位置付けで、若い人たちに古い街並みが残る老街の美しさに触れてもらうのが狙いです。

延平北路一帯は、日本統治時代に「太平町」と呼ばれていたエリアで、北門から大橋頭までを結ぶ南北の大通りの延平北路が、東西を結ぶいくつもの道路と交差しています。当時は経済の発展とともにお茶屋、劇場、デパート、酒場、貴金属店が立ち並ぶようになり、清朝末期から近代にかけての中国の思想家、梁啓超が宴席に招待された東薈芳、台湾で初めてエスカレーターを導入した大千百貨、文化振興の一翼を担った山水亭や第一劇場が開業しました。また、台湾の民主化運動の立役者、蒋渭水が医者として患者の治療に当たった大安醫院、日本統治時代に台湾人の声を反映した新聞「臺灣民報」の台北発行所もここにありました。

もともとお茶屋だった築60年を越えたURS27Wの建物は、これまで延平北路一帯の発展と衰退の歴史とともに歩んできました。修復工事が終わってから、「都市のフイルム実験室」として新たな道を歩むことになりました。その最初のイベントが「暗室微光─老屋裡的紀錄片影展」(暗室のほのかな光~古い建物のドキュメンタリー展)で、12月7日までの毎週金曜日と土曜日に都市とデザインがテーマのドキュメンタリー映画を放映します。都市を旅する様子や年寄りがバイクで台湾を一周したエピソード、農村など、都市に関するドキュメンタリー映画が、年季の入った古い建物で上映されると、まるで暗室に温かいほのかな光が差し込んでいるようで、都市の移り変わりを思い知らされます。

古い住宅地にあるURSに足を運べば、昔の台北が味わえるだけでなく、台北の文化産業の創造力と活力にも触れられます。

※推薦閱讀:
英文版:The URS Project – New Looks for Old Places in Dadaocheng

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Discover Taipei 2012年11月號】

本文出自正妹資訊網.....

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